輸入製材の入荷検品のDX化

藤原運輸株式会社様 輸入製材の入荷検品DX ハンディターミナルとカスタムアプリで数量やダメージをチェック

藤原運輸株式会社様
輸入製材の入荷検品のDX化。ハンディターミナル(ZEBRA MC20)とカスタムアプリで数量やダメージをチェックしレポートを作成。

藤原運輸株式会社様 輸入製材の入荷検品のDX化
導入モデル:ZEBRA MC20【※日本向け特別モデル】 Zebra初の日本市場でのみ販売するハンディターミナルで、日本人に合わせた設計・仕様を追求したモデルです。バッテリーも日本の職場に合わせた設計で、バッテリー駆動状態で約20時間動作します。数秒おきのスキャン・データ通信を断続的に行うようなヘビーな環境でも、8時間連続で動作します。

陸・海・空の総合物流藤原運輸株式会社 様

業 種
港湾運送業、自動車運送事業、倉庫業、通関業
目 的
輸入製材の入荷検品のDX化
URL
https://fujiwaraunyu.com/
藤原運輸株式会社 様

1935年の創業以来、運輸事業の近代化に専念し、1949年に株式会社へ改組、以降、事業の発展とともに物流拠点の整備を推進し、業容の拡大を続け今日に至りました。この間、物流業界に対するニーズはお客様の発展とともにスピード、品質、コストなどの各面で高度化かつ複雑化を辿りました。そして、何より経済のグローバル化において、物流業界は大きな役割を果たしてまいりました。

次代に向かってますます多様化するお客様のニーズにお応えするため、港運・陸運両部門の機能と長年培ってきたノウハウを一体でご提供し、お客様の要請を的確、迅速に実現する総合物流システムの確立を目指し、ハード・ソフト両面の充実を推進してまいります。

Q.業務の流れを教えてください

弊社では、港湾運送事業や通関業などを行っており、DX化を進めた当課では、主にチリから輸入される製材の本船荷役業務を担当しています。

具体的には、製材が到着次第、迅速かつ正確に荷役作業を行い、その後、入庫に伴う検数業務(※1)を実施します。この検数作業では、貨物の数量確認だけでなく、貨物に過不足がないか、またはリマーク(※2)(ダメージやカビなどの状態)に関するチェックも綿密に行います。

お話を伺った「輸入課 藤本さま 堀尾さま」
お話を伺った「輸入課 藤本さま 堀尾さま」
藤原運輸株式会社様 業務の流れ

さらに、これらの確認作業が終了次第、リチェッキングレポート(※3)を作成し、在庫数量の最終確定を行います。

この確定された在庫数量を基に、輸入者様へ速やかに報告を行い、正確で信頼性の高いサービス提供に努めております。

(※1)検数業務:港湾荷役において、どのような貨物(品名、荷印等)を、どれだけ(数量)、どのような状態(損傷の有無)で受け渡したかを確認し証明する業務のこと。

(※2)リマーク:物流用語で、貨物の荷受書類の摘要欄に記載される特記事項。輸送貨物の過不足や品違い、損傷などにより約定数量と実際の数量が異なる場合、または損傷を受けている場合などにその旨を記載する。

(※3)リチェッキングレポート:検数業務の後に、再度確認を行った結果をまとめた報告書。具体的には、輸入や荷役の際に一度行った検品や検数の後に、数量や状態に関して追加で確認が必要な場合に実施され、その確認結果を記録します。

Q.導入前の問題点を教えてください

毎船、「リチェッキングレポート」作成時に情報入力の漏れが見つかり、計数、記録内容の見直しの確認作業に時間を取られておりました。現場での検数作業がアナログなため、作業担当者への負担が大きいことも問題となっておりました。

この状況から、輸入者様への正確な検数結果の提供は維持しつつ、検数担当者への業務負担を軽減する必要があると改善策を検討しておりました。

導入前の問題点

検数作業に関しては、計数の他、貨物の種類、ダメージの有無の記録、時には写真撮影などが必要で、複数人で確認しながら行うものの、正確に記録されているか確認する為の見直し作業はどうしても必要でした。

また、アナログ作業で進められていたため、手書きの記録や写真の管理にミスが生じやすく、集計時の正確性を維持するために多くの時間と労力を要する場合もありました。

導入前の問題点

これまでも作業方法の見直しを進めてきましたが、検数員の人手不足により担当者の入れ替わりがあり、業務の習熟が十分に進まず、なかなか満足のいく改善ができない状況が続いていました。

そこで、入庫検数時にハンディターミナルを使用し、数量を読み取ると同時にリマークがあればその場で端末に記録する仕組みを導入することを検討しました。

ハンディターミナルのデータをパソコンに取り込み、システム上でリチェッキングレポートを自動作成することで、より正確な入庫検数が可能になり、検数作業の期間短縮も見込まれます。これにより、輸入者様および検数担当者からの要求に応えられると判断し、ハンディターミナルの導入に至りました。

Q.導入後の効果を教えてください

導入直後は、ハンディターミナルの操作に不慣れであったため、一部スキャン漏れが発生することがありました。しかし、日々の業務で操作に慣れるにつれて、スキャン漏れは次第に解消され、操作の精度も向上してきました。

また、スキャン漏れ対策として、導入後もシステムの仕様について柔軟な改善対応を行っていただきました。

導入の目的と導入後の効果

具体的には、検数中にリマーク(ダメージ本数/K/M)の登録と写真撮影の両方を完了しなければ次に進めない仕組みに変更したことで、リマークの登録漏れがほぼなくなりました。この仕様変更により、業務の正確性が大幅に向上しました。

導入の目的と導入後の効果
導入の目的と導入後の効果

リチェッキングレポートは自動で作成できるようになったため、転記ミスもなく即時にレポートが完成します。これにより、作成時間も大幅に短縮されました。

システム導入前と導入後の違い

業務内容 導入前 導入後
リチェッキングレポートの記載 1800件中20件の情報未記入 1800件中1件の情報未記入
リチェッキングレポートの作成時間 半日(3~4時間) 約10分
材の状態管理と確認方法 タグ情報のみを写真で管理していたため、詳細なダメージ内容を確認するには、材を管理している現場まで足を運ぶ必要があり、時間がかかっていた。 ハンディターミナルで写真を撮影し管理できるようになり、現場まで赴かなくても材の状態が事務所ですぐに確認できるようになった。また、トレーサビリティも向上した。

ZEBRA MC20の使い心地はいかがでしょうか。

ZEBRA MC20の使い心地

太陽光が強い屋外環境で使用する頻度が高いのですが、スムーズにバーコードを読み取れており、満足しています。キーパッド付きのため操作がしやすく、グローブを装着した状態でも問題なく操作できる点が便利です。

また、十字レーザガイドの交点部分のみでバーコードを読み取る設定にしていただいたおかげで、誤読の心配もなく、安心して使用できています。

導入後のシステム全体のフロー

システム全体のフロー

1リチェック表の作成

1.出荷指示データの参照(管理PC)

お客様からいただいたパッキングリストを基に、リチェック表を作成します。

2管理ラベルの作成と印刷

2.管理ラベルの作成と印刷

①で作成したリチェック表を基に、製材に貼り付けるQRコード入りの管理ラベルを作成し、印刷します。

3製材の入庫

3.返信用封筒のQRコードラベル印刷

到着した製材を船から荷揚げし、検数チェックのために所定の位置に整然と並べていきます。

4管理ラベルの貼付

4.出荷検品データの入力(HT)

入庫した製材を荷ほどき、製材に印字されているロット番号を確認しながら、②で作成した管理ラベルを貼り付けます。

5材の確認

5.出荷検品データの送信(DBBM)

検数アプリを使用し、管理ラベル貼付時にQRコードを読み取ります。ダメージのある製材の数量を入力し、折れ、欠け、カビなどのダメージ状態を写真で記録します。

6検数結果のインポート

6.発送

⑤で記録した検数結果を、ハンディターミナルからWindowsデスクトップアプリ「入庫検数システム」にインポートします。

7パッキングリストのインポート

7.荷受け

お客様からいただいたパッキングリストをWindowsデスクトップアプリ「入庫検数システム」にインポートします。

8報告用レポートの作成

8.荷受履歴の保存、確認(管理PC)

⑥と⑦でインポートしたデータを集計し、最終的なリチェック表を作成し印刷します。

動作環境

ハードウェア

  • 【PC】対応OS:Windows10/11
  • 【ハンディターミナル】Zebra MC20

ソフトウェア

  • PCアプリケーション
    『入庫検数システム』(※カスタムWindowsデスクトップアプリケーション)
    .NET Framework 4.8 / Microsoft Office Excel 2007以降 / ディスプレイ解像度 1280×1024以上
  • HTアプリケーション
    『検数アプリ』(※カスタムAndroidアプリケーション)

Q.今後の展開について教えてください

現在、リチェッキングレポートのCSVデータを活用し、弊社システムへの入庫登録をRPAで自動化できるよう、システム室と調整を進めています。 現段階では入庫データに限定していますが、将来的にはハンディターミナルを活用して、入出庫全体を効率的に管理できる在庫管理システムの導入を目指しています。 今回の取り組みは、その第一歩として位置付けており、今後もさらなる業務効率化を目指していく予定です。

今後の展開について

システム開発者のコメント

WELCOM DESIGN CGグループ 松本
WELCOM DESIGN CGグループ 松本

今回のプロジェクトでは、お客様が抱えていたリチェッキングレポートの情報入力の一部漏れや集計ミスといった課題を解決するため、アナログ作業フローのDXを推進しました。
ハンディターミナル(ZEBRA MC20)と専用アプリケーションを組み合わせることで、入庫検数時にデータを正確に記録し、PCアプリケーションを活用してリチェッキングレポートを迅速に作成できる仕組みを構築しました。これにより、記録の正確性が大幅に向上し、アナログ作業によるミスの削減が期待されます。

HTアプリケーション『検数アプリ』
HTアプリケーション『検数アプリ』
PCアプリケーション『入庫検数システム』
PCアプリケーション『入庫検数システム』

今回のシステム導入が、お客様の業務効率化に貢献できたことを大変嬉しく思います。今後、お客様が計画されているさらなる自動化や在庫管理システムの拡充にも柔軟に対応し、引き続き技術的なサポートを提供してまいります。

お客様のビジネス成長に寄り添いながら、長期的なパートナーとして共に発展していけることを楽しみにしています。

DX化にWELCOMが選ばれるわけ
業務アプリ開発もWELCOMにお任せ!

導入モデル・ソフトウェア

輸入製材の入荷検品のDX化
最新情報をチェックしよう!
>ウェルコムデザイン株式会社

ウェルコムデザイン株式会社

WELCOM DESIGN
私達はDX(デジタルトランスフォーメーション)をワンストップで提供します。
多業種への導入・支援実績により、WELCOM DESIGNには業務課題や運用目的に合わせた最適なハードウェアとSaaSアプリケーション・オンプレミスアプリケーションを提案するための知識とノウハウがあります。

CTR IMG